11.土地選び

最終的に家の詳細設計を行うには土地の形やサイズそして向きなどを、建設業者側に知ら せる必要があります。そこで、土地探しは住宅会社の選定・検討と並行して土地探しを行 いました。以下にAさんが土地を決める際に重要視したポイントなどを記します。

1.ポイント

土地選定も家購入のポイントと同じく優先順位をつけて整理します。
  1. 土地購入予算&土地サイズ
     全予算から建物予算と土地予算を分ける必要があることから、建物の詳細を
     詰める時期には、おおよその土地予算を決めておく必要がある。何の予備知
     識もない状態えはどれだけの予算を土地に割けばいいのかわからないので、
     早めに土地不動産に関する情報収集を行いどの地域が・どのくらいの価格帯
     で販売されているのかの相場感を養うようにしましょう。Aさんの場合、建
     物の大きさなどから、土地サイズは50坪以上、諸費用含めて1,000万円以下
     と考えていました。あとはどれだけ他要望条件を犠牲にして価格を下げられ
     るか。
  2. 場所1=通勤圏
     次に優先したのが通勤の便。Aさんの勤務する会社の本社と工場の両方に便
     がいいように金沢北部域をターゲットとしました。
  3. 場所2=子供の通学
     当時3歳になる子供が1人。子供の安全と送迎の負担を考えて、幼稚園・
     小学校・中学校までは通学距離・時間のかからない場所を考慮。
  4. 場所3=買い物の便
     車があればそれほど考える必要はないが、あまりに辺鄙な場合、奥さんが文句
     を言うので注意。
  5. 静粛性
     交通量の激しい道路のすぐ傍は、車の騒音があるため、避けたいと考えていた。
  6. 上・下水道の整備
     土地価格の安いところを探していくと、どおしても「通勤」「通学」そして
     「上・下水道」を犠牲にせざるをえなくなる。
  7. 治安・風紀の善し悪し
     治安・風紀に問題のあるところに住宅地が作られることはないと思われるが。
     将来の計画などは出来るだけ入手。
  8. 地盤の善し悪し
     金沢北部には地盤の緩い場所が多く何がしかの地盤改良費がかかることを考慮。
     Aさんの購入した土地も、地盤改良が必要でこれをネタに土地の価格交渉を行
     った。
    ※価格交渉
     不動産屋というものは、売った土地がどんなものであろうと、掘り出して何が
     出てこようと知ったことではない・・・というのが普通な人たちの業界。こち
     らもそのつもりで「同じ土地ならとことん安く買う・極限まで値切る」。建物
     と違い、値切ったからと言って材質が落ちるといったことがないので、とこと
     たたきましょう。土地の不動産屋とは、購入したあとは顔をあわすことはあり
     ません。
    ※傾斜地
     傾斜地は外溝費用が高くつく場合が多いので注意しましょう。名鉄緑が丘など
     は良心的で、このような事情を最初から隠さず話してくれました。これもまた、
     価格交渉のネタになります。

2.土地の探し方

  1. 希望条件のまとめ
     まずは前項のポイントにしたがって、自分の希望を整理します。
  2. メーカー・工務店の利用
     建物の検討を始めると、どこのメーカー・工務店も土地を紹介してくれます。
     Aさんの場合これらをどんどん利用しました。ただし、建築をまったく依頼
     する気のないない業者を利用し続けるのは道徳的ではありませんので、ある
     程度興味のあるところに絞って行いました(業者側は土地が決まらないと設
     計ができないし、土地が決まると消費者側の心理として他にとられないので
     急ぐことになり、業者側は有利にことを進めやすくなるので、進んで紹介し
     てくれます。「もちつもたれつ」と考えましょう)。
    ※建物の詰めよりも先に土地選定ができたとしても、あせって建物を契約して
     はいけません。
  3. 相場感を養う
     いくつも土地を見ていくうちに、どの地域がいくらぐらいかわかるようにな
     ってきます。相場より高いか・安いかを判定し、相場よりズレがあるときは
     特別な理由があるか不動産屋などに聞いて調べきましょう。
  4. 実地調査
     気に入った土地が見つかったら、実地調査を行います。住んでみると、意外と
     時間帯により周囲の騒音が気になったり、隠れた問題が顕在化する場合があり
     ます。できれば早朝・深夜の状況を各曜日ごとに現地に張り込んで実情を確認
     することを勧めます。
  5. 最後は妥協
     価格が安く、立地条件が抜群で、土地面積も申し分ない・・などと言う物件は
     現実的にはありません。何かを犠牲にしなければならないことを十分理解し、
     どこかで妥協しましょう。妥協できない点が何かははっきりしておきましょう。
     Aさんの場合、以下のステップで絞込みをしました。
      1.通勤圏でから土地を選択する区域を限定
      2.次に50坪以上で価格が800万円以下、
      3.そして通学圏(小中学校の近く)を優先(これが一番難しい)
Aさんコラム:竜ちゃん事件
土地購入に行き着くまでにいくつかの問題に出くわした。現在取得し家を建てた土地は、 とある不動産会社でもらった土地リストに掲載されていたものだったが、私の妻がそれと 同時期に住宅の参考デザイン選びも兼ねて住宅地地を散策していた際に同物件と思われる 土地を直接発見した。そこには立て看板があり直接所有管理する別な不動産会社の名前が あった。2次的な不動産会社を介するより、土地を所有する1次の不動産にコンタクトと ったほうが価格交渉が有利なため直接交渉に。 住宅地の中で、この一角だけ明らかに売れ残った感じの土地で、売り側も早くさばければ 良いと考えていたはずで、接触を持った当初は比較的好感触の対応であった。しかし、事 態は一変し始める。河北潟近くに位置するこの土地周辺は地盤が緩いことを聞いていたた め、購入前に地盤調査させてもらうことを決意。購入前提かつ費用自分持ちということで 地盤調査を頼んだあたりから、この不動産会社の担当営業(上島竜平氏=竜ちゃんによく 似ていたので、その後家庭内では竜ちゃん事件と読んでいる)は気分を害し始めた。怒ら れようがどうしようが、事前にどれくらいの地盤改良費用がかかるのか想定できないで、 高い買い物は出来ないと、なだめすかいしては、何とか了解を得て地盤調査実施。結果は 総額100万円ほどの改良費(残土処理など含む)。 こんなに費用のかかる土地ではと、これをネタに値引交渉を。不動産屋(土地ころがし) は、土地の下がどうなっていようと、何が出てこようと、右から左に物を転がすのが商売 で責任感や道徳観が薄い商売柄。案の定、交渉は難航の様相に(といっても、地盤改良費 にかかわる値引き交渉前にすでに概ね値引き交渉は済ませてあったのだが、これをネタに 更に値引き交渉しようとの魂胆。でないと、結局は高い買い物となるし、第一予算越えと なる)。しかし、ここで一肌脱いでくれたのが、最終的に選定した建築会社U社の営業さ ん。かかる地盤改良費を「不動産屋」と「U社」と「私」の3者が費用を3分割づ つ分担することで話をまとめてくれた(この時点で、建築会社はU社に決めていたのだが、 こことしても土地が確定しないと建築が進まないこともあるとは言え、わざわざ仲介役を かって出てくれた)。ここまで、面倒を見てもらった上で不服は無くこれで一見落着。 最後に契約を済ませるときにU社さんの事務所に3者が集まったのだが、不動産屋の営業 さんは「竜ちゃん」さながらに口を尖がらかして不満たらたら怒った形相で帰っていった。 土地を転がす不動産屋とは1度だけの付き合いで2度と会うことはないので気にしないで くださいねとU社の営業さんが慰めてくれました。嫌がられようがどうしようが、土地は とことん値切りましょう。