9.中古住宅を探そう

Aさんは最終的に新築による住宅購入を選んだのですが、中古住宅も選択肢の一つと考えていました。 年齢が20〜30歳代なら中古を取得して将来立替も考えられたのですが、40歳からの取得を考えると 躊躇したことと、中古物件の中で、これという決め手が無かったことで中古をあきらめました。しかし 中古物件は出費を抑える常套手段ですので、新築と決めている方でも必ず検討しておくことを強く勧めます。

1.新築か中古か?

  • 新築と中古住宅の関係は、車の新車と中古車の関係に似ているところがあります。新車と中古車のそれぞれの 長所/短所として以下のような点が挙げられる。
    <新車長所>・・・新しい技術・機能が利用できる。たいていは、出力アップ+燃費向上⇒走破性+経済性が向上。 デザイン・内装が充実。以前はオプションだった項目が標準仕様で供給されるなど、よりお得に。
    <新車短所>・・・初期にかかる金額がどうしても高くなる。
    <中古長所>・・・なんといっても、初期投資の価格が安くなる。新車と比べて中古の場合、同程度の金額投資で、 ワンランク上の車種・グレードが狙える。場合によるが、前の所有者の取り付けた高価な装備が付属で手に入 ることも。逆に、前の所有者の趣味趣向が強すぎると難点となる。また、中古は建売同様に現物をじっくり確認 できる点が良い。すなわち、新築は現物が建つまでは細かな良否(動線などの使い勝手・採光・風の流れなど)が正しく 判断できないが、中古は現物が見れる。さらに、中古は基本的な不具合箇所は補修・修繕されている(逆にこれからの 傷み箇所は新築よりも現れるのは早くなるが・・)。
    <中古短所>・・・年式が古いほど傷・色あせはある。購入時には発見できない、隠れた傷み故障がありえる。 また経年変化を受けやすい箇所は年数が経ったものものほど、購入後まもなくの交換補修などもありえる。

2.「値落ち」と「評価」

  • 「値落ち」の単純モデル
    通例、車の場合登録年から10年程で価値がほぼ0円になります。車体価格300万円の場合、単純に考えて 1年で30万円値落ちする計算になります。さらに走行距離や事故の有無、外観の傷などの状態によって 減額されていくと考えれたものが、単純な中古車の価格モデルと言えます。 住宅の場合約25年で価値が0円とするもの。年間80〜100万円相当値落ちしていくと推定されます。
    <例>
    新築時  ⇒
    (延床面積40坪×50万円=2,000万円)+(土地60坪×20万円=1,200万円)=3,200万円
    築 5年後 ⇒ (2,000万円-100万円×5年)+1,200万円=2,700万円
    築10年後 ⇒ (2,000万円-100万円×10年)+1,200万円=2,200万円
    築20年後 ⇒ (2,000万円-100万円×20年)+1,200万円=1,200万円
  • まずは土地価格を推定する
    新築・中古を問わず、内見会などで物件を見学した際、その物件に興味が無くても、土地については面積 ・価格(坪単価)・施設負担金額を(建物についても間取り・延床面積・価格を)聞き取るようにする。 新規の住宅地でなくても、数多く物件を当たっていくと、地域の相場が見えてきます。
    自分でも相場感を持ちつつ、仲介する不動産屋の担当者に臆せず、土地価格を聞くようにしましょう。 自分の相場値と大きく違う価格を言う場合は注意しましょう。(たいていは、少し高めの土地価格を言う ように思われます)。
    土地価格は調べるほどに、うまく設定されていることに気づきます。中心市街地に近いか遠いか、買い物 の便と幼稚園/小学校/中学校の通学の便による。同じ程度の位置にあっても「新しく開発された宅地」と 「ちょっと前に開発された宅地の売れ残り土地」「旧市街村落の中」の違いで価格が異なるので、正しく 評価するためにいろんな物件情報を手に入れるべきです。
  • そして建物の見極め
    土地価格がわかれば、建物だけの値段が出てきます。築年数×(80〜100)万円を足した価格が新築時の 価格。床面積で割って坪単価を推定。その坪単価に見合った建物であったかどうかを想像すば、価格が 妥当かどうかの目安が立ちます。
    中古価格は仲介する不動産屋が「仕入価格」に「利益」を乗せたものですが、以下にも説明しますが、たま に売主の都合で不動産屋も不本意に高額価格を提示していることがあるので、この方法でチェックします。 リフォームされているときは、自分で新築時の坪単価を想定し現在の建物価格を想定し、実際の販売価格 との差額がリフォームの程度と一致するかを検証しましょう。
  • 中古住宅の見極めの手順は以下のようになる
    1. 中古住宅の価格の妥当性評価(相場価格かどうかの見極め)
      A.一般価格評価(土地推定価格/建物一般推定価格)
       仲介する不動産屋の評価でなく売主の強い意向により高値が付いて
       いる場合がある。Aさんが過去に見学した中で1件だけ明らかに
       相場より高い物件を見たことがあった。仲介の不動産屋に問うと
       売主の意向が強く働き不本意ながらの価格らしかった。現在の土地
       評価と上物(建物)蓄年数算定評価の推定からは明らかに高額で、
       売主が購入した当時の背景引きずったものなのか、よほど高値で売
       りたいと欲ばったもの・・と思われた。
       逆に、売りを急いでいる物件は、一般評価より安値で出回る場合も
       あるのでよく吟味すること。
      B.メーカー/工務店の価格評価
       有名どころで、質の高い建物は、元の坪単価が高く一般価格より高
       い。世間一般の坪単価でプラス価格を算定。実際の物件を見て、こ
       の価格分を高いとみるか安いとみるかは個人の判断によるが、この
       点は逆に値切るネタに使える(車で言えば、ユーザーオプションが
       いろいろ付いているからといって、極端に価格上乗せされたものは
       敬遠されるため、一般的には購入時の価格そのままの上乗せを受け
       入れてはいけません。そうは言っても中古なのだから・・と値切り
       ネタに利用して得をしましょう)。
      C.リフォーム(改修)の金額推定
       リフォームされてきれいになっていると、築年数が新しいように勘
       違いしてしまうが、「築年数評価額」に「推定リフォーム額」を足
       した金額で評価する
      D.付加機能評価
       断熱性/床暖房/オール電化/2重サッシなど、ここ数年来では当たり
       前の仕様も2000年以降あたりから。この頃の物件は断熱も悪いし、
       大きな1重ガラス窓などは北陸の冬の暮らしやすさの点で大きくひび
       くことを考慮しましょう(古い物件はそう言う意味でも安くなって
       いると不動産屋は言うかも知れませんが、自分で行った値落ち算定
       からさほど値打ち感が無ければ「だめで元々」と、この点を値引き
       のネタに使ってみましょう)。
    2. 一般条件評価
      A.通勤圏 B.買物の便 C.通学の便 D.静寂度 E.日照具合 F.・・・
    3. 特殊条件評価
      A.特殊な希望条件の評価
       例:インナーガレージ/サンルーム/屋根裏部屋/中2階構造/納戸/収納性
    以上の項目を総合的に評価して、損得を見極める。

3.探し方

  • 新聞広告
    住宅探がしの活動は通常は土日の休日ですので、週末近くになると新聞広告に多くの住宅関連広告が 増えます。北国新聞は地域の広告が多いため、住宅探しの期間だけでも購読するのが良いでしょう。 (Aさん本人は他の新聞を取りたかったのですが、奥さんが充実した?広告欲しさに北国新聞を購読 していました)新築内見会だけでなく中古物件の内見会(オープンハウス)広告も多く出ていますの でこれを利用します。
    上述の中古住宅物件情報から気になる物件をピックアップしますが、最初の内は極力多くの物件を 見学して見る目を養います。「中古物件=建物+土地」の「価格相場」と「良し悪しの目利き」を養 うため多くの物件を見ることを勧めます。
  • 不動産屋
    上述の活動で色々見て回ると、仲介不動産屋さんと仲良くなれます。希望条件を伝えると、いろんな 物件を紹介してくれますので、これを利用します。以下はAさんが接触した中で、色々と親切に対応 してくれた不動産屋さんです。
    1. 富商不動産
       広告にあった中古物件オープンハウスを見学した際から、希望条件
       の物件を色々紹介してもらうようになった。
    2. 栄宏商事
       競売物件ものを多く扱っている様子で、一般相場より値打ち感のある
       物件が多々あり(倒産か何かでローンが払えなくなり住宅を手放すと
       いう、まだ人が住んでいる状態の家を見学したこともあった)
    3. さくらホーム
       石川県金沢市周辺のあちらこちらに営業所を持つ。Aさんがよく行った
       のは金沢SATY店
    4. 栄宏商事
       競売物件ものを多く扱っている様子で、一般相場より値打ち感のある
       物件が多々あり(倒産か何かでローンが払えなくなり住宅を手放すと
       いう、まだ人が住んでいる状態の家を見学したこともあった)

3.中古物件の決め手

  1. 理想的な物件はまずないと思え
  2. 中古のポイントは金額を抑えることにあり
    中古を狙う理由はズバリ値段が安く手に入ること。住宅取得への出費を抑えて、生活や余暇 への充実を考えるかの岐路にたつ。もうひとつの考え方として、同じ金額をかける場合でも 新築では手に入らない規模の住宅が中古では手に入ること。
  3. 妥協が肝心
    安さを求めての中古であるのだから、必要最低限の項目意外は妥協する考えが必要。
  4. 築年数(性能)と値ごろ感の天秤
    築2,3年の物件はそれほど多くないが、あっても新築に対する値下がり感は少ない。 築5,6年程度から値ごろ感がでてくる。また外観的にもまだきれいなことが多く、機能的にも 極端な古さはなく、設備の不具合も少ない。 築8以上では外観的にきれいなものでもそろそろ、水周り給湯設備や空調、外周りなどに別途費用を見込んでおく 必要がでてくるので注意が必要。 築15年前後のものは、土地価格を正確につかみ上物(建物)価格を以下に低価格で購入できるかがポイント。 築20年以上の場合は、土地だけの価値と考え如何に我慢してすみ続けることができそうかがポイントに。