6.住宅購入予算の算定方法(その1)

1.適正予算以上の買い物は命取り

  • 家を購入する上で一番のポイントは予算です。予算範囲におさまらない物件の購入は、ローン返済ができなく なり、せっかくのマイホームを手放すことにもなりかねません。マイホーム検討において、多くの中古物件も 見学したのですが、その際必ず前の持ち主がどうして手放すことになったのか理由を聞くようにしていました。 築年数がまだ浅くどうしてこんな物件が中古として・・・と思っていると、事情でローンが払えなくなり手放 すこととになったと聞かされることが多々ありました。たぶん、年収が購入時よりも徐々にアップしていき、 また支出も現在とそう変わらないような予測をしたに違いありません。家族で期待できる最大の全収入(例えば 共働きで両親の収入も加えた最大の収入)を予算算定の基礎におくと、だれかの収入が何らかの理由で途絶える と、とたんにローンが支払えなくなってしまいます。よって、ある程度は不測の事態が起こった場合であっても 乗り越えられるような余裕のある収入見込みの設定が肝心です。
    Aさんコラム:金融機関は怖い
    ・ローン返済が出来なくなり手放された多くの中古物件を見てきたが、決して
     町金融高利貸しからお金を借りていた分けではなく、一般の銀行から借りて
     いたはず。すなわち、銀行側は
      @借手に本当は返済能力が無かろうが、所得額から試算される上限内であ
       れば貸す・・ということ
      Aリスク回避策として、すなわち借り手の「死亡/火災」に対し各種保険を
       設定し、収入ダウン時の返済能力トラブルに対しては家を取る
     よって、銀行など金融機関を決して信用せず自分で決めることが肝心。

2.予算算出の考え方

  • 銀行などで住宅ローンの申込みする際、(1)いくら借りるのか (2)返済期間をどうするか の2点で設定します。 貸す側とすれば、現在の年収から推測できる返済可能月額と年齢そして購入する物件金額から算定できる最大の ローン金額以内であれば貸しますが(返済できないときは家を売却させられ返金に充てられます)、借りる側とす れば、「年齢とともに増加するであろう収入の変動」と「将来の教・養育費育/車購入維持に関わる全費用(月 割りして月々にするとどれだけ費用・貯金が必要かを算定しなければならない)/一般生活費等々の支出の変動」 さらに「考えられる例外的な収入と支出」を考えて安全な借入額を冷静に守ることが重要です。
    Aさんコラム:「借りる額」より「返す額」
    ・「借りる額」より「返す額」を考慮すべき。私の場合、銀行から2,500万円
     借りて、返済総額は3,300万円を超え「約800万円も利息として余計に返済」
     しなければならない。すなわち、借りる額以上の返済額を考えて試算する
     必要がある。
  • 一般的な会社員である場合、まずはセオリーどおり会社定年までにローン完済する計画を考えるようにします。 定年60歳の例では、現在30歳なら30年間、現在40歳なら20年のローンを考えます。将来の月収上昇は少なめに見 積もることが重要(いずれにしても、返済期間中の後半返済額を増やせるタイプのものもあるようだが、 ローンの返済額を年収アップにあわせて年々増やせるようなタイプの住宅ローンは聞いたことがない)。 現在の月収から前述の月割り(ただし年齢・時期に応じた算定が必要、例えば子供の教育費 は、小・中・高・大学と出費のタイミングが決まってくる)支出を引いた支払い月額を予想します。これら の「返済期間」と「返済月額」に対応する借入れ可能金額を(適当な銀行の出している住宅ローンの表から)算定 します。この金額が借りたい金額より高ければOKですが、低ければ何か策を練る必要があります。
    このように、現在の月収だけを見て「必要な金額」を「返したい期間」で返すという単純な考えはやめて、生涯の期 間中、「(1):収入の得られる期間はいつまでで」、「(2):今現在の月収の内のどれだけの金額を住宅購入費に 当てられるか」を算定した上でローンを考えるようにします。
    ※1:収入は一般的に年齢とともに増加していきますが、ローンは月々定額を返済する仕組みですので、若いうちには まず最初に収入の再確認からはじめます。現在の給料の総支給額から控除分を引いた手取りが上限です。収入 は年齢とともに増えていくのが通例ですが、住宅購入時点での月収を超えてローンを組むことはできません。 よってローン開始時の「控除後月収」と、想定される定年年齢(自営であっても、定年を仮に想定するのが適当) までの「期間」から、借りれるローン上限の「借入金額」と「返済全額」を知っておきます(返済全額は借りた 額にプラスして利息をいくら払うのかを知っておくためです。返済期間が長いほど多くの利息を返すこと となります。同じ借入金額でも返済期間が違うと何百万円も余計に払う必要が出てきます。) 年収の低い20歳代では、両親などの援助なしにローンを組む場合は月額の返済額が少なくてすむ長期ローン にするしかありません。月収の増加を安易に見込んでギリギリのローンを組むと、ちょっとした誤算となる出費や 不測の収入ダウン(長期入院や会社倒産など)があるとたちどころに、支払いが滞ってせっかくの家を手放す事態 に。実際この手の中古物件が意外に多く存在する。
    ※ローン期間を短くして余計な利息は減らしたいものですが、このために、大事な
     家を失っては大変ですので、長めに組んで繰り上げ返済を計画しましょう。
    ※こんな回りくどいことしなくても月収からの算定で十分と考えるかも知れません
     が感覚的に月々返済できると考える金額に対し、冷静に将来の支出を考慮した返
     済金額は結構低いものです。予算に対して絶対と言って良いほどに実施の金額は
     オーバーするものですから、ここは辛めに算出しておくことを薦めます。
  • 収入よりも意外に見通しが難しいのが支出。支出として見込む必要のあるものは、日々の生活費と生涯の節目で 発生する大きな出費の両方です。日々の出費としては、
     (1)一般衣食住生活費、(2)その他一般雑費、(3)車の維持費、(4)娯楽費
    ローン開始時の「月収」と、想定される定年年齢(自営であっても、定年を仮に想定するのが適当)までの「期間」 から、借りれるローンが決まります。
    最後に、現在用意できる手持ちのお金を確認します。快く身内から借りられるお金やもらえるお金がある場合 は頭金として資金に当てます。頭金は多いほど、ローンの負担がなくなりますので極力多く用意したいものです。 ただし、購入のために使い資金からは100万以上は除外しておくべきです。必ず、建て始めてからも、付帯する 備品やオプション選択、新調する家具や備品などの予算外の出費への対応と不測の事故(予期せず車買い替えな どの出費もありえる)や入院などの予備対応の余裕を見ておきます。Aさんの場合は身内からの補助に頼らなくても 大丈夫なように、約800万円の全預金の内、念のため300万円を手元に置き500万円を住宅自己資金としました。 結局ローン開始直後に予期していなかった祝いが身内からあり、すぐに繰り上げ返済をすることとなりましたが、 資金ショート(手持ち資金の不足)だけは絶対に避けるべきです。