2.住宅購入へのステップ

一般会社員のAさんがどのようにして家購入を決断し、どんなステップで仕様を詰め、建築会社を選定して 行ったかを紹介いたします。

1.発端

年齢40歳にして借家住まい。会社からの補助がなくなり全額負担となるのを機に住宅購入を検討しました。 それまで住んでいた借家の自己負担分は月額5万円。それが全額自己負担に。いくら払い続けても自分のも のにならない借家より、持ち家を購入する時期が来たと考えたのです。
Aさんコラム:自分にとってベストな購入時期とは?
アパート・借家のいずれであっても、毎月お金を支払い続けたところで自分 の物にはならない。それなことにお金を払い続けるくらいなら、自分の持ち 家を早く持つべきでは?と考えたくなる。では何故今まで自分は躊躇してき たのだろうか?
 @家を買えばその土地から動けなくなる。転勤(転職)の可能性がある場合
  どうしても躊躇する。私の場合ここがずっと問題だった。
 A仮定として「家の寿命を40年」「2,000万円の家購入」としたら均等割
  にして50万円/年=4.2万円/月。アパート・借家への住宅支出がこれ以
  下だったら、得ともいえる(ただし土地は別だが)。会社から住宅補助
  が今まであったのでこの歳まできてしまった・・・といったところ。
結論
 ・上述の試算から単純に考えると月額4.2万円以下のアパート/借家など
  に住めれば必ずしも家購入は得ではない(この金額で住めるところは
  あまり無いと思うが)。
  ※土地に関しては、定期借地権付きの土地というのがある。50年くら
   い後には更地にして返還することになるが、初期の支出負担がかな
   り軽減できる利点があるというもの。上記の住宅寿命を考え合わせ
   これを利用する人もいる。
 ・とは言え、家族が増えたり大きくなるにつれ部屋が狭くなったなどの
  他の欲求との天秤による。
 ・買ったほうが良くても、土地に縛られたくない事情が優先するときは
  タイミング待ちとなる。
 ・後は、自分の家がどうしても欲しいと思うか、それより生活や余暇に金
  を使ったほうがいいと考えるかのポリシーによる。
 ・ローンの支払いを考えると、月々の支払いができる妥当な安定収入があ
  ること+ある程度の頭金(全体の20%)が準備できていること+近い将来
  の支出例えば、出産や養/教育費・・・などの見通しがついていること
  が条件。
 ・しかし、相反するようだが一方ではローン支払いのことを考えるとき、
  できるだけ若い時期に家を購入した方が良い。
 ※これを読んでいるあなたへ:
  今一度自問して頂きたい。「今、何故 家が必要なのか?」

2.住宅情報収集 ( 住宅雑誌 購読 )

不動産購入といえば、何千万円オーダーの買い物・・とは予想していたが、実際どれくらいのものなのか? 予算を検討するにしてもあまりに予備知識が無かったので、まずは情報収集から開始。 住宅購入のポイントが何なのかも分からなかったので、まずは住宅関連情報の雑誌を数冊購入。この時点では基本 的なポイントがなんとなく理解できた程度。地域型月刊誌には、色々なハウスメーカーや工務店の記事や広 告が掲載されていて、情報収集としても役立った。

3.希望条件を整理

住宅見学を開始する前に希望条件を整理。まだ知識が不十分なためせいぜい希望する間取り程度であったが 各社を比較するのに統一したイメージで概算価格を聞き出すと検討がしやすいので、早めに間取りや どうしても取り入れたい条件(Aさんの場合インナーガレージ)を設定しておくのが良いでしょう。
Aさんコラム:家族で考える!
おとうさん一人決めてしまわずに、些細なことも家族みんなで話合すべし・・・とは言うものの 各自が理想ばかり並べてはお金がいくらあってもたりない。そこで、要望希望を挙げるよりも、 以下の手順で整理する。
 @現在の住まいで困っていること・嫌なこと・これだけは解消したい
  という最低限のことは何か?
  ※今使っている家具を新居でも使うことが多いはず。既存の箪笥が
   収納できることなどは最低限の条件の1つになる。
 A贅沢は言わないが、これだけは実現したい希望上位の1〜3位は?
 B他の希望は優先順位と予想価格を書き出して予算と相談しながら決める

4.石川県金沢市周辺の住宅常設展示場へ

金沢ハウジングセンター駅西住宅公園展示場・金沢南住宅公園展示場の両方へ見学に。

5.地域のハウスメーカー工務店をリストアップ

後になって、こんな工務店にすればよかった・・・と後悔しないために、インターネットや毎週末に入 る多くの住宅関連の新聞広告を使って極力多くのメーカーや工務店をリストアップ。
※県内の建設棟数ランキング表が一番参考になる

6.予算検討

現在の貯蓄の確認⇒万一の出費を考え200万残し、残りを頭金に。 60歳完済を目標に現在の収入と70歳ぐらいまでの支出を予想して借入できる最大のローン金額を見積。 家族構成は妻と子供2歳と自分の3人。収入は自分1人。将来考えられる妻の収入は安全をみるため考慮 しないことにする。万一自分の所得が下がっても、乗り越えられるようにするための万一の安全対策。 新築内見会などでハウスメーカーの担当者とはなしていると、年収からどのくらいの金額のローンが 銀行で組めるかの算定から住宅規模を予想されることがあるが、必ず自分で算定した予算を守る気構え が必要。

7.各種展示場や内見会へ

毎週必ずどこかで実施されている新築内見会めぐりを数ヶ月繰返し実施(新聞広告や雑誌などに掲載 されている)。価格の相場感(各社の坪単価層把握)、素材/工法の特徴(各社とも使用する素材や工法に 何らかのこだわりや特徴を持つ)、間取りとそれに対する必要な土地の大きさ、あると便利な設備・・・ などの知識が備わってきます。

8.中古と建売住宅

中古物件も積極的に見学。ここで、ローン支払いができずに手放された物件が多くあることに驚く。 誰しも、住宅をかんがえるとき、収入ダウンを深刻に想定しないことが伺える。特にバブル時期ごろ ローンを組んだ人に多く見られる。価格帯はよくできており、「悪くないな・・・」と思う新しい 物件は高額なため、もう少し足して新築にしようか・・となったりで、踏ん切りのつく物件には出会わ ず結局のところ、新築となった。
Aさんコラム:自分のポリシーにあった住宅購入
・今でも新築購入が正しかったのか悩んでいる。家を不動産価値として相場
 なりに評価するとき、一般住宅の場合は築20年もすれば建物の値段はなく
 なり土地だけの価格となる。住宅は、立てた人の一世代使われると、次の
 世代では立替がされるのが通例。30歳で立てても60〜70歳のころには、自
 分たちの子供の世代が家を立て替えることになると考えると30〜40年の寿
 命に。実際は補修などの手入れをすればいつまでも住めるが、新しい機能
 や性能を求めれば立替となる。いっそのこと「住めればよい」と割り切れ
 ば、中古を買って補修・リフォームによる最低メンテによって、出費を抑
 えることができる。このように家にお金を掛けず他のことに使ったほうが
 良かったとも思うこともしばしば。
 要は、機能性の高い新しい家がどうしても欲しいか、住むところより生活
 を充実させたいか、そのどちらにウエートを置くかによる。もちろん、お
 金が十分にある場合は話が別だが・・・。家購入は、旦那さんだけで決め
 ずに、奥さんや子供の意見も取り入れて決定するべきだが、住宅にお金を
 掛けなくてもいいならそれに越したことはないと断言する。
・中古住宅をいろいろ見て回った。過去に住んでいた人の様子が伺えるもの
 も多い。賃貸アパートとは異なり、過去に住んでいた人の痕跡が残りやす
 いように思う。新しい物件の中には、値打ちのあるものもあるが、にして
 も高価であった。それならもう少しお金を足して新築したほうがいい・・
 との結論にもなってくる。はたと車の購入選択にしているなぁと気づく。
 中古住宅の決め手は予算次第ということ。「金をかけれない(かけない)」
 「予算を抑える」を前提とする人で以下の順でグレードを判定する。
  @極力お金をかけないとき
   築年が20年程度のうわ物(建物)価格がゼロ円(取り壊し+廃棄代がか
   かるが)で土地代のみの低価格物件を取得。ガタがきたらその箇所だ
   けを補修して使う。
  Aちょっと金かけるとき
   築10年目あたりからガタがくるので、保守金額も見込んで判断
  Aさらに金かけるとき
   中古で出費抑えたいが、機能性の高い良いものが欲しいとき。築5年以
   内の物件は窓ガラスが2重で断熱性にも優れるものが多い(逆にそれ以
   前の物件は冬寒く、夏は暑いのは我慢すべし)。
  C例外的な判断
   築年数の浅いものは、新築では手が出ないワングレード上のものを手
   に入れることができる
  ※中古物件注意点:リフォーム済に惑わされるな
建売住宅も積極的に見学した。中古住宅と同様に現物が確認できる。家事動線や採光の様子などが 正しく確認できる点は、建ってみるまで心配な新築と異なる点。最初から新築と決めている人でも 必ず参考にできるのでお勧め。いい点は取り入れ、悪い点は注意項目として留めて置く。
Aさんコラム:建売か注文住宅か?
・建売も中にはよさそうなものがある。建売の場合、万人に受け入れられる
 平均的な作りになっている。価格帯も手ごろで、間取りは3〜4LDK。
 それ故に「これだ!」と言う決め手がないのも事実。上述のとおり、いい
 点は、建っている現物を確認できること。これで、仕様と価格が概ね気に
 いればハズレではない。注文住宅では、できてから「しまった!こうすれ
 ばよかった」と思うこともある。また、予算の制約がある限り、注文住宅
 であろうが、建売であろうが、中古であろうが、どのパターンであっても
 最終的には理想(要望・希望)からどれだけ妥協するかの問題。よって、建
 売のほうが坪単価価格的にリーズナブルで、且つ要求の70%ぐらいの仕様を
 満たしてしれば購入もあり。

9.希望(目標)条件の再考

ここらで、希望するところの条件を再考した。
1.建築土地区域
 ・通勤圏20km以内
 ・幼稚園/小学校/中学校通学が容易な距離にあること
2.土地サイズ(50坪以上)
3.間取り(5LDK-延床40坪 以上)
4.付帯設備(インナーガレージ、屋根裏収納、納戸)
※いくつか気に入ったハウスメーカー・工務店などに、概算見積を出してもらう。
 間取りのレイアウトまではイメージがなかったので「お任せ」で間取り図と仕様
 概略+概算見積を入手して行き、それらの中から気に入った間取りレイアウトを
 構成していくと良い。

10.検討集約

気に入ったメーカー・工務店を5社に絞込み、同条件で詳細見積を取り比較検討。
詳細見積を吟味し2社に絞込み、そしてさらに1社に。決定のポイントは、極力予算 内で必須希望条件「5LDK」「ガレージ付き」「作りが安くないこと(高級の意味 ではない)」が実現できるところ。坪単価40万円以下の数社は内見会で他社と比較す ると、作りが貧粗(階段の作りや、2階床の硬さなど)に思えたし、50万円/坪以上で は作りが貧粗なところはさすがにないが予算的に苦しい。
※同じ条件で、間取り設計+概算見積を出してもらおうとしても、仕様条件の統一
 が困難なことが多かった。仕様を統一して比較検討しようとしても、予算を伝え
 これが絶対条件とすると、5LDKと伝えても価格に合わないところは、仕様を
 変えて提示してくる。これらの会社は除外していった。
※価格帯の近い他社を比較に出して、価格交渉を行うことが値引きまたは、オプショ
 ンの無償化のポイント。
※発注の段階で詳細なすべての仕様を決定するのは困難なので、選択部分(例えば、
 壁紙やタイル床)のグレードは低いもので、いくつかはグレード変更や追加で、
 費用が発生することを見込む。
※地盤改良・外溝工事など別途費用分は事前に十分確認し予算から引いておいた。
Aさんコラム:見積を進める上で
・家の間取り/設計は土地に左右されることが多い。各社価格比較するため
 には見積もりをとらなければいけないが、この時点で土地を決めておくこ
 とは通例難しい。しかし、土地は予算の半分近くも占めることを考えると
 家の希望条件を考える際に土地に想定される価格を見込んだ上での坪数を
 イメージすることは必須。でないと、同条件で見積比較は出来ても、建築
 会社を絞り込んで土地選定したら今までの見積条件に合わない築面積や間
 取りとなるとそこで金額が変わってきてあわてることになる。
・従って、絞り込みを行う時までに有望な土地を2,3ピックアップしておく。
 また、業者側から見積する上で土地を想定するために土地物件を紹介して
 くるが、これは大いに利用すべきなのだが、価格立地のいい土地を見せら
 れると他の人に持っていかれては・・・と焦りがでることがある。しかし、
 けっしてここで、焦って建築会社を選んではいけない。たとえその土地が
 検討中に他の人の手に渡ろうとまた必ずいい物件は出てくるもの。

11.土地検討+借入先の検討

建築会社を絞り1社に決定すると同時に、土地を決めて「土地の価格交渉」と「建物 詳細仕様の詰めと価格交渉」を行う。実際は1社に決定するときには、競合他社を引 き合いにして大枠での価格値引き交渉を行った上で決定となる。それから、詳細の細 かな仕様を決定してここで正確な見積(この時点でも内容と価格の交渉がでえくるが) となる。建築会社を1社に絞り、詳細仕様の詰めが整うころには、めぼしい土地の押さ えが必要になる。土地が決まれば、一気に銀行審査借入へと続く。借入先も事前にあた りをつけてちょっとでも条件の良い方を選ぶ。